漫画の「鬼」の手を離すな

一部SNSで話題の漫画「鬼」を読んだ。

これは小学館主催の「新人コミック大賞」という漫画賞の青年部門で佳作を獲った作品で、17歳の浄土るるさんが描いたもの。このページから本編を読むことができる。全36ページ。

作品の内容としては、ポップな絵柄とは裏腹にあまりにも救いがなくて悲しくなるようなストーリー。正直、どうしてこの作品が小学館の賞に出されたのか最初は疑問だったんだけれど、審査員の面子を見たらまあまあ納得できた。この人選は予め発表されていたものなので、割と計画的に賞と作品の相性を考えていたのかもしれない。

審査員は浅野いにお・石塚真一・太田垣康男・業田良家・花沢健吾の5人。

 

おそらく作者の意図としては、この和やかな絵で、可愛らしいペンネームで、小学館の賞に、「鬼」というタイトルでこの作品を出すことに意味の全てが込められていて、こうやってネットでちょっと話題になるのも含めてある種の作品だったように感じる。そういう意味ではこれはエンタメというよりはアート寄りの行為で、漫画雑誌という媒体との相性はあまり良くないのかもしれないけれど、17歳という若さを活かして後先考えずに何かを表現しようとした結果できあがったものなのかもしれない。

 

個人的にこういうメタ的な視点で観られる作品は想像力が掻き立てられて大好きだし、大いに評価したい。ただ、これが例えば商業誌で連載できる(≒漫画ジネスとして成立する)のかというと疑問だし、その辺りは担当編集の人とよく相談して方針を決めたらいいんじゃないかと思う。もし俺がその担当者だったらプレッシャーで嘔吐するけど。

いまはネット上だけでも漫画家として活動できる時代で、それでもあえてこういう形で作品を世に出したというのはきっと何かしらの狙いがあるはずなので、それは絶対に尊重するべき。頑張れ小学館。

 

彼?彼女?の次回作が(もしあるとしたら)絶対に読みたいし、俺は応援する。

この記事をシェア↓