「天気の子」は”ワレモノ注意”

映画「天気の子」をTOHOシネマズ新宿の”世界最速上映”で鑑賞してきた。

いや、してきたというかまだ新宿にいるんだけれど。上映が始まったのが7月19日午前0時、終わったのが夜中の2時で、始発まで暇なのでカラオケボックスに入ってノートPCでこの記事を書いている。これから映画の感想を書いていこうと思うんだけれど、もちろんまだ映画を観ていない人が大多数だと思うので先に断っておく。物語の核心に触れるようなネタバレはしないので安心して読んでほしい。ただ、もし「一切の情報を入れたくない!」という人がいれば、ここでブラウザバックしておくのをおすすめする。どうしてもにじみ出てしまう情報というのはあるので。

 

TOHOシネマズのロビーは「天気の子」一色になっていて、お祭りのような雰囲気だった

 

天気の子は、「君の名は。」や「秒速5センチメートル」の新海誠監督の最新作で、君の名は。と同様に全ての音楽をRADWIMPSが担当している。物語の舞台は”雨の止まない東京”となっていて、まさにいまのリアルな状況とリンクしているように感じる。主人公の帆高はそんな東京で、天気を操る能力を持つヒロインの陽菜と出会い、二人は陽菜の能力を使ったとあるビジネスを始めることになるが……というお話。

 

まず全体的な感想として、非常に完成度の高い映画だったと思う。映像や美術に関しては今更言うまでもないというか前作を遥かに超えて良かったし、音楽もストーリーも良くできていた。ただ、今ひとつと感じる部分も多々あって、それぞれ何が良くて何が引っかかったのか、これを書きながら考えていきたいと思う。

 

まず、どうしても君の名は。との比較になってしまうが、物語が始まるときのワクワク感は少し物足りなかったように思う。君の名は。がアバン(タイトル)→OP映像→物語の始まりという構成でかなり衝撃的だったのに対して、本作のオープニングは少しインパクトに欠けると感じた。しかしその分、しっかり着実に物語を積み上げていっているような感覚があって、これは好みが分かれるところだと思う。

 

次に、帆高と陽菜の距離が近づいていく過程について。これに関してはかなりしっかりと描写されていて、「そりゃ惚れるよな〜」という説得力があって良かった。そして、それをしっかり描写していたからこそ、終盤に二人が危機的状況に陥った時に、「帆高がんばれ!」という熱に繋がる。ヒロインのために奮闘する主人公はやはりカッコいい。

 

それから音楽について。本作では5曲のボーカル入りの主題歌が使われていて、ひとつひとつの楽曲は凄く良かったし、使い所も間違っていなかったと思う。ただ、新海監督お得意の”映像とのリンク”については、もう少しなんとかなったんじゃないかなと思う。君の名は。の「スパークル」で顕著だったような音と映像の一体感は、本作ではあまり堪能できなかった。

 

そして、サプライズゲストについて。前作の君の名は。に「言の葉の庭」のキャラクターが登場したように、本作にも過去作品のキャラクターがゲスト的に登場する。これに関しては、ちょっとサービス過剰というか、やりすぎているように感じた。こういうのは気づくか気づかないかくらいでちょろっと登場するくらいが粋だと思うのだけれど、もうガッツリとゲストが喋りまくっていて、なんだか少し萎えてしまった。登場する”数”も多すぎると感じた。

 

最後に、結末について。これは予め監督自身がインタビューで「賛否が分かれると思う」と宣言していた通り、なかなかに衝撃的な内容だった。俺個人としては良かったと思うし、「まあ映画の中の話だから」と割り切れるけれど、ひょっとしたら「気味が悪い」と感じる人もいるかもしれない。

また、涙を流して感動するようなシーンが無かったのは非常に残念だった。ハンカチを用意して鑑賞していたんだけれど、最後までそれを使うことはなかった。

 

 

さて、最初に書いたように天気の子は映画としての完成度は高い。けれど、個人的なツボにはあまりハマらなかったと言える。なんとなく、君の名は。ではギザギザに尖っていた演出が全体的に丸くなってしまった(本来の新海監督に戻った?)ような印象。君の名は。は映画館に13回くらい観にいったんだけれど、本作でそこまでどっぷり沼に浸かることはないだろうと思う。

俺の中で君の名は。を超える作品というのはおそらく新海監督にしか作れないと思うので、また数年後に出るであろう次回作にいまから期待しておきたい。

 

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