映画「HELLO WORLD」に悩まされた

SFアニメ映画「HELLO WORLD」を地元の映画館で鑑賞してきた。

本作のことを知ったのは特報が出てすぐのことで、一応チェックはしていたんだけれどなかなか観にいく決心がつかずにいて、公開されて暫くしてからの鑑賞となった。

 

何故ずっと迷っていたのかと言うと、脚本が野﨑まどだったから。野崎まどと言ったら、俺にとっての超問題作「正解するカド」の脚本家である。あのアニメは凄いよ。断トツのクソアニメ・オブ・ザ・人生。1週回って全ての人に観てもらいたい最高品質の駄作。無人島に持っていってカラスよけに使いたい1枚。

そういったわけで、金も時間も無駄にしたくないから、ネットで配信されるまで鑑賞を見送るつもりだった。ちなみに、「正解するカド」はアマプラで無料で観られる。

 

それでも結局観にいくことにしたのは、TwitterでCG界隈の人が映像について褒めているのを見かけたから。何やら、全編通してセルルックの3DCGでキャラクターを描いているらしく、どんなもんかと気になってしまい、最終的には好奇心に負けた形。やっぱり口コミの力って凄いね。

 

さて、前置きはこのくらいにして本編の感想を書いていこうと思うんだけれど、今回は若干のネタバレ込みで話そうと思う。見たくない人はブラウザバック推奨。

 

そろそろ話し始めていいかしら?いくね?

 

まず、映像について。

キャラクターデザインとか3Dモデルの質感は俺好みでかなり良かった。ちょっと具体的に言うと、バーチャルアイドルの「22/7(ナナブンノニジュウニ)」を更に手描き寄りっぽくした感じに近いな〜とか思いながら観ていたんだけれど、後から調べてみたらキャラデザが同じ人(京アニ出身の堀口悠紀子さん)だった。Wikipedia見て色々と納得。

作品の舞台がバーチャル空間(データの中に存在する京都)というのもあって、3Dでやる意義がちゃんとあるなと感じたし、これくらい綺麗に描けるんならCGでも全然いいじゃん、という印象。物語が進むにつれて世界が壊れていくような描写とか電子ドラッグ的な映像演出が結構出てくるんだけれど、そういうのもやっぱりCGの使い方が上手かった。撮影するのにUnity(ゲームエンジン)が必要だったというのも納得。

 

次に、演出について。

日常生活とかラブコメ的な演出については普通によかったと思う。ただ、バトルシーンがちょっと酷かった。主人公がヒロインを助けるためにサポート役である「先生」から授かる能力が「何でも創り出せる」という割とチートじみたもので、それ自体は別にいいんだけれど、その見せ方があまりにもダサかった。あと能力の名前が「グッドデザイン」って、その形状がビカビカの手袋って、もうちょっとなんとかならなかったのかなという感じ。全然グッドじゃないです。

 

最後に、ストーリーについて。

非常にテンポよくサクサク進むのがよかった。主人公が無駄に悩んだりせず、登場人物も必要最低限しか登場せず、それでいて主人公とヒロインがお互いに惹かれていくところがしっかり描写できていたと思う。大体上映時間の半分くらいで主人公の第一の目的が達成される感じなんだけれど、ここまで本当にあっという間だった。

で、そこから「先生」の真の目的が発覚して結構な急展開になるんだけれど、振り落とされるほどではない緩めのカーブで、ちょいちょいツッコミどころもありつつ割と王道な感じなので素直に楽しんで観ていられた。

 

しかし、物語が終わりに近づくにつれて少しずつ頭をチラつき始めるのが、この映画のキャッチコピー「この物語(セカイ)は、ラスト1秒でひっくり返る――」というもの。最初からどんでん返し宣言されているものだから、こっちとしても色々と展開を予想しながら鑑賞する羽目になるわけで。例えば、「世界が入れ子構造になってる」ことなんかは、そりゃまあ普通に予測できてしまって、それが明かされたときの驚きが完全に消えてしまった。

でも、それがラストのオチではないということは……?とか考えていたら、あのラストシーンが訪れる。これについては、まあまあ大きめなため息が出た。別につまらなくはないけれど、面白いオチでもなかった。気になる人は自分の目で確かめてください。

 

 

ところで、作品のタイトルにもなっている「HELLO WORLD」というのはプログラミング用語で、簡単に言うと環境構築(プログラムを書き始めるための準備)が終わった時にある種の儀式的に出力する最初の文字列のことなんだけれど、これを知っているかどうかでラストのオチの印象が違ってくる気がした。もしこれから観るよっていう人がいれば頭の隅に入れておくといいかもしれない。

 

ちなみに、最近Twitterでエンジニア界隈の人たちが「Hello Worldってつまらないよね」という話題で結構盛り上がっているんだけれど、それはこの映画のことではなく、プログラミング用語の方の”Hello, World!”のことなので、もし誤解しちゃった人がいたら可哀想だなとか思ったり。

映画の方の「HELLO WORLD」は……まあまあ面白いよ!

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