花粉症?あいつとはもう別れたよ

「あなたのパソコンはウイルスに感染しています!」

そんなポップアップ広告を見たことはないだろうか。

アレが出るのは大抵の場合いかがわしいサイトなので、すぐにそれが真実ではないとわかる。よって、うっかりクリックすることなく、心を無にして機械的に画面を閉じる。そして2秒後にはその存在を忘れ、いかがわしいコンテンツの再生が始まる。自らのポップアップしたアレを沈めるべく、心を無にして機械的に花粉症治療の話をします。

 

人体にはバグが多い。

挙げていったらキリがないが、特に首から上は多い気がする。いや、俺の頭がバグってるとかじゃなくて。

ほとんどの人間は日頃から眼鏡やマスクや銀歯を装着しているが、そんなの生物として異常だ。ちなみに俺は3つとも必需品となっている。おいデバッグ担当者、ちょっと来い。

 

俺のような重度の花粉症患者は、最も症状が強く出る春先から初夏にかけて、毎日地獄を見ることになる。

 

「あなたの体内に花粉が侵入しています!」

そんなうざったい警告が鼻水やクシャミといった形で際限なく出

「あなたの体内に花粉が侵入しています!」

わかったわかっ

「あなたの体内に花粉が侵入しています!」

もうそのスクリプトは実行しなくてい

「あなたの、体内に、花粉が、侵入しています!!!!」

 

もう電源落としてもいいですか?

 

そんな日々が1年の約1/4をしめる。これはもう大変な機会損失であり、ストレスの原因であり、急にお腹が痛くなるのも、ビットコインが大暴落するのも、たぶん戦争の原因もこれだ。とにかく全部このバグが悪い。おい開発者、そこに座れ。

 

そして昨日、そのバグに、遂に、別れを告げてきた。

もうちょっと粘るんじゃないかと思ってたけど、「どこが悪かったのか言って!私ちゃんと直すから!」とか泣きつかれることもなく、綺麗さっぱり関係を絶つことができた。少し泣きたいような気分になったのは、心の底では、あいつのことを大切に想い愛していたから、ではなく達成感からくる嬉し涙である。おい設計者、目を背けるな。

 

採用した治療法は2つ。

「舌下免疫療法」「炭酸ガスレーザー治療」

なんかどことなく兵器っぽいけど、花粉症を駆逐するためには兵器をも使う覚悟がいる。これは「鼻の中の戦争」なんだ。「もし俺が死んだらこの記事をシェアしてくれ」

 

舌下免疫療法は去年の6月から始めた。これは毎日体内にスギ花粉と同じ成分の薬品を入れて、それに身体を慣らし免疫をつけるというもの。ワクチンの長期バージョンみたいな。

ただしこれは直ぐに効果が出るわけではなく、免疫が完成するのに2~3年かかる。つまり次の春には間に合わない。

 

それで昨日、炭酸ガスレーザー治療をやってきた。これは鼻の粘膜の表面をレーザーで焼いて、花粉に反応できなくするというもの。これをやると1~2年間は症状が出なくなる。

大変な手術なのかと勝手に思ってたんだけど、全然そんなことなくて、麻酔をしてから5分くらいジリジリやって終了。出血も吐血も無く、強いて言えばほんのり鳥貴族の匂いがするくらいで、あまりにあっけない。少し値は張るがちゃんと保険も利く。「鼻って鶏肉の味するの?」という疑問は残る。

 

さて、ここまででお分かりいただけただろうか。

次の春はまだ免疫が完成していないが、レーザー治療によって回避できた。

そしてレーザー治療の効果が消える頃には、免疫が完成している。

 

もう、花粉症の春は、訪れない。

 

物心付いたときからの長きに渡る戦争は、こうして、鳥貴族の匂いと共に幕を閉じた。

これで、マスクをつけながらジムワークするとかいうアイシールド21的な異常行動をとる必要はなくなり、たぶんビットコインは爆上げするだろう。トランプと金正恩は仲良く握手だ。

 

人体のバグは誰の責任でもない。もしそれをなおしたいなら、自分でひとつずつ修正パッチを当てていけばいいのだ。大抵の場合、それは既に配布されている。まだ存在していないとしたら、今頃誰かが必死に作っているだろう。

運用保守担当は自分だ。

 

ちなみにこれを書いている現在、耳鼻科でもらった飲み薬の副作用でめちゃくちゃ眠い。

 

「あなたの体力が低下しています!いますぐ目を閉じて睡眠を取ってください!」

わかったわかった。ありがとな。

 

 

※上記の治療を受ける際は自己責任でお願いします。