2020年のホロライブはずっと凄かった。
年が明けるか明けないかくらいの頃に「ホロライブの新人の朝配信が面白いぞ」って評判が聞こえてきて、見に行ってみると朝の6時に2万人近く見ている。桐生ココの片言のニュースバラエティ「あさココ」を。
当時の2万人って凄まじく大きな数字で、はっきり言って異常事態だった。
この1/1の放送時点ではまだ登録者5.5万人だったらしい
そして、1月24日には豊洲PITで行われた全体ライブの「ノンストップ・ストーリー」があって、そこでは新人の4期生を除く所属アイドル全員がソロを歌い、ユニットでも歌い、統一衣装を着てステージに立った。
オタクが見たかったものを全力で見せてくれて、ほとんど全てが完璧だった。「Vtuber完成した?」とすら思った。
それと同時期に、ホロライブメンバーの海外人気が高まっていった。
白上フブキのミーム的な歌動画とか戌神ころねやさくらみこの切り抜きが流行って、あと何か知らんけど赤井はあとが実写動画で頭角を表したり、そういった同時多発的に巻き起こるバズを上述した桐生ココが上手いことまとめて「あさココ」で発信していった。
当時を象徴する1本として、4月に投稿された「おちゃめ機能」の歌ってみた動画がある。これはいまでも再生が回り続けていて、現在は1800万回を超えている。
コロナ堝でリアルイベントができない中、その分YouTubeでのイベントは豪勢になっていった。
星街すいせいの3Dお披露目ライブから始まり、不知火フレアの3Dお披露目、4期生の3Dお披露目、5期生のデビュー、EN1期生のデビュー、ID2期生のデビューといった具合にモリモリと規模がデカくなっていった。
(同時に炎上の規模もデカくなっていって、カバー社は何度も謝罪文を出したりしたんだけれど、それはまた別のお話)
そんなこんなでついに迎えた12月21日、ホロライブ 2nd fes.「Beyond the Stage」(オンラインライブ)の1日目。
そのラストの曲「キラメキライダー☆」の演出が各所で話題になったんだけれど、この記事では”それ”について書いていこうと思う。ここまでのは全部前置きです。
まず、何が起きたかと言うと、ホロライブメンバーが画面から飛び出してきた。
それまではステージ上にあるディスプレイの中で歌っていたのが、急にその手前側に表れたような感じ。
質感(シェーダー)もいつもと違ってリッチで、本当にホロライブメンバーが目の前に出てきたような錯覚に陥った。
これは一体どうなっているのか、えーちゃんのツイートによるとAR技術でリアルのステージ上にメンバーのモデルを合成しているらしい。
そして、エンドロールのクレジットを確認すると、「-AR映像制作- 株式会社バーチャルキャスト」とある。
古いVのオタクならこの時点で合点がいったと思うけれど、これはMIRO氏が開発して2018年の電脳少女シロ生誕祭で使用したAR技術、あるいはその応用と思われる。
シロちゃんはARだし。めっちゃリアルだし。床に映ってるし。馬は超微細3Dモデルだし。何この次世代感。 #電脳少女シロ生誕祭 pic.twitter.com/H6zGQp5XHi
— 抹茶。 (@i10v35w33t) August 11, 2018
■追記
バーチャルキャスト社のツイートによると「Polaris」というシステムらしい。
12/21,22「hololive 2nd fes. Beyond the Stage Supported By Bushiroad」弊社がAR技術を提供しました!ARパートは独自開発のAR生放送システム「Polaris」で、リアルタイムに!撮影しております
まだのかたは、冬休みに是非!#こえていくホロライブhttps://t.co/0EeY1bLOrXhttps://t.co/vgSxXp2iep pic.twitter.com/vdyRxfH6xc— バーチャルキャスト@VirtualCast (@virtual_cast) December 28, 2020
この演出によって、ライブのタイトルであった「Beyond the Stage」、そしてハッシュタグ #こえていくホロライブ を回収したわけだけれど、個人的に注目したいポイントは「キラメキライダー☆」の歌詞。
・君に会いたくてやってきたんだ
・ここにいるよ 幻なんかじゃない
・私ここにいるよ 君と同じ世界を見つめて
これARの歌に聞こえてくるな?
実はホロライブってそっち方面にも力を入れていて、例えばスマホアプリの「ホロリー」ではリアル世界にホロライブメンバーを召喚できたりする。あとメンバーのMMDモデルを配布して各々が使えるようにしていたり。
あるいは、これはVRだけれど「Cinderella switch ~ふたりでみるホロライブ~」(通称:連番ライブ)というのがあって、特定のメンバーが自分の横に来て一緒にライブを観てくれる。
これらの共通点は何かっていうと、アイドルの方からこちら側に来ているということ。
そう、AKBが「会いに行けるアイドル」を目指したのと真逆で、ホロライブは「会いに来るアイドル」を目指しているらしい。
ホロライブの”ホロ”ってホログラムから来ているはずだし、最終的にはもうディスプレイすら乗り越えてリスナーの自宅まで来ちゃうのではないだろうか。
ってのは随分と話が飛躍しているけれど、ホロライブがここまで伸びるのを誰も予想できなかったのと同じように、未来のテクノロジーがどうなっていくのかは誰にもわからない。
2019年まではずっと他グループの背中を追いかけていたホロライブがシーンの先頭を走った時に一体何が起きるのか、その躍進から今後も目が離せない。
この記事をシェアして応援する↓