年の瀬が迫っている。
世間ではクリスマスがどうとかコミケの〆切りがどうとかで、何やら騒がしい空気がひしひしと伝わって来る中、俺はと言うとひとりしこしこ動画制作に励んでいた。その成果がこれ。
「YouTuberだから渋谷でフリーおっぱいしまーすw」
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この作品のように、”脚本のあるハイテンポなギャグ動画”を作っているVtuberは珍しくない。企業勢でいうとゲーム部プロジェクト、個人勢でいうとケリンがその代表格と言える。
Vtuberは双方向性のあるアニメだ、というのはよく言われることで、実際それはひとつの真実だ。そして、脚本というのはその双方向性を殺す。しかし、バーチャルの特性を活かしていないかと言うとそうではなくて、むしろ”カメラに向かってこんにちは”するスタイルよりも、表現の幅の部分で実写映像との差をつけることができる。
少し難しい表現になってしまったので簡潔にまとめると、キャラクターを気軽に爆破できるのは面白い。
今作を作るにあたって、とりあえず「爆発オチで終わろう」というのだけ最初に決めてから取り掛かった。
爆発オチというのは一種の様式美で、ヒーロー物なら最後に敵役が爆発するし、SF映画なら宇宙船が、MAD動画ならニコニコ本社ビルが爆発して終わることになっている。そういうものだ。そして、Vtuberならキャラクター本人が爆発する。それを自分の手で一度やってみたかった。
しかし、オチだけ決まっていても、それまでの脚本が決まらなければ動画は作り始められない。このパートに関しては滅茶苦茶難航した。何から手を付ければいいのかさっぱりだし、自分の思いつきが面白いかなんて実際に見てみないとよくわからない。
最終的に爆発させるにしても、「これもう爆発させるしかないな」というところまでカオスに作り込まなければいけない。更に言うと動画のテンポも重要で、間延びせずに素早く「ボケ」と「混乱」を反復横跳びする必要がある。ちなみに、「ツッコミ」はあまり重要ではない。
脚本を作るにあたって意識したのは「ピークエンドの法則」というやつで、最後の爆発オチまでの中盤に1ヶ所確実に笑える要素を入れることにした。具体的に言うと、音割れ糞コラウェディングのシーンがそれ。ここで笑ってもらえなかったら、もうセンスが合わなかったということで諦めるしかない。
アイデアが大体固まった後の手順としては、まず音声から先に完成させることにした。これによって、台詞のテンポを保ったまま全体の流れを作ってから映像に手を付けることができた。
こんな感じで、台詞もBGMも効果音もすべてひとつの音声ファイルにまとめて作った。ちなみに、バズーカのシーンで流れる「戦闘BGM」というのはこの動画の為に一から作曲した。自分のことながら、かなり無駄な労力を割いたと思う。しかし、こういう変なところで拘れるのは趣味で創作をしている人間の特権なので、これからもどんどん無駄なものを作っていきたい。
映像については特に触れるべきところがなかったので、今回の解説はここまで。
あの1分間のアホくさい動画に込められた熱量が少しでも伝わればいいなと思う。
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