Facebook社の最新HMD「Oculus Quest」を購入した。
これはいわゆるスタンドアロンと呼ばれるタイプのHMD(VRヘッドセット)で、PCと有線接続することなく単体で使用することができる。去年発売したOculus Goも同じスタンドアロンタイプだけれど、これが3DoF(頭の向きのみをトラッキングする)なのに対して、Oculus Questは6DoF(向きに加えて位置もトラッキングできる)となっており、PC向けのVRと同じような感覚で身体を動かすことができる。
その他の細かいスペックについてはググればすぐに出てくる話なので、以下、実際に触ってみた感想を淡々と書いていこうと思う。なお、HMDの購入はこれが初めてなので、他の製品との比較などは基本的にできない。
まずハードウェア周りに関して。
本体:最初に被ったときの印象は「結構重い」だった。首と顔、とくに目の下辺りに負荷がかかって、長時間の着用はキツいなと感じた。実際、1時間くらい被っていると目の周りに赤い跡が付くなどの変化が見られた。髪型も少し崩れるし、外出直前の使用は控えたほうがよさそう。それと、俺が使うと鼻のところに謎の隙間ができてしまうんだけれど、これは西洋人の鼻の高さに合わせて作られているということだろうか。もし更に没入感を高めたければスポンジ等を詰める必要があるかもしれない。
バッテリー:これはスタンドアロンということで最初は心配していたんだけれど、十分持つと感じた。具体的な例として、Netflixでアニメ1本観て10%消費するくらい。上記の重量の問題で長時間の使用はそもそも厳しいので、充電しながら使うというシチュエーションは発生しづらいと思う。
ディスプレイ:良いとも悪いとも言えない。普段使っているPCの4Kディスプレイと比べるとやはりドットが目立ってしまうが、ゲームのプレイ中などはそれほど気にならない。YouTubeの360°動画等は十分に綺麗だと感じた。
スピーカー:これはいい。イヤホンとか必要ない。
続いてソフトウェア周り。
OS:これと言って不満はない。そういえば最初起動したとき設定のメニューが文字化けしていたんだけれど、本体を再起動したら直った。あと強いて言えばストレージマネージャがしょぼい。
チュートリアル:これはめっちゃ楽しい。ロボットとダンスするやつと銃で的を撃つやつの2種類があるんだけれど、その導入部分も含めてずっと楽しい。初めてVRに触れるって人にはとりあえずこれをやらせとけばいいと思う。
ガーディアン:これは何かと言うと、HMDを使用する範囲を最初に設定して、そこから出そうになると赤い線が見えるというもの。推奨されている広さが2m×2mなんだけれど、このスペースが確保できなくても使えるっちゃ使える。とりあえず1.8m×1.5mくらいで使ってみたんだけれど、これで「Beat Saber」がギリギリプレイできる広さだった。特に不満はない。
パススルー:ガーディアンから出た時に外の様子がカメラ越しに見える機能。画質は荒いけれどあるに越したことはないという感じ。水飲んだりするのに使えるんだとか。
静止モード:移動せずに使う用のモード。動画を見るときとかにいいと思う。
それからコンテンツについて。
ローンチ直後ということで、現状はとにかくアプリが少ない。開発者の人たちには是非頑張って上質なコンテンツを揃えてほしい。今のところ「VRChat」くらいしか興味を引くものが無かったので、しばらくは自分にとってのキラーコンテンツの登場を待つことになる。個人的には「cluster」をよく使うので、これの対応を期待している。あとDMM.R18(FANZA)。
ちなみに、「RiftCat」や「ALVR」等の外部アプリでPC向けのVRゲームが遊べるという情報も見かけたんだけれど、これについてはまだ不安定らしいのと、Oculus Questの純粋な機能ではないので、ここでは触れなかった。
最後に、全体を通しての体験初日の感想。
良くも悪くも「最新のゲーム機」という感じで、ゲーマーではない俺にとっては「まあこんなものか」という印象。「VRChat」がほぼ想定どおりに動いたのは嬉しかったけれど、Netflixの映画など長時間の動画視聴ができるかなと期待していたので、それについては残念だった。動画オンリーの用途ならOculus Goの方がひょっとしたら向いているのかもしれない。
個人的にいまバーチャル業界への転職を考えているので、「この辺りで買っておかねば」と思い立って購入したんだけれど、もしそうでなかったとしたら、まだ待っても良かったかもしれない。こういう製品は基本的にポジティブなレビューしか世に出ないので、こういう意見もあるというのを参考にしてもらえればと思う。アフィリエイトリンクは貼るけどね。
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