いま巷で話題の「AIきりたん」について。
つい最近までちょっと長めの短編小説(&クソ長いあとがき)を書いていたのもあって、完全に出遅れているんだけれど、その分昔のこととかも含めてちょっと語っていこうかなと。
「AIきりたんって何だよ」って人の為に軽く説明しておくと、まず「東北きりたん」というキャラクターがいて、一般的にはテキストの読み上げをさせるのに使うソフト「ボイスロイド」のキャラとして有名なんだけれど、今回話題になっているのはそのきりたん(を含むライブラリ)をボカロみたいに歌わせることができる歌声合成ソフト「NEUTRINO」というもの。これはニューラルネットワーク、要するにAIを使って人間の歌唱を学習させているため、あまり調声を加えなくてもかなりの人間らしい歌を歌ってくれるということで話題になっている。NEUTRINO公式サイトはこちら
AIきりたんで『キリトリセン』カバー 調声済み
マジで凄いよね。
しかし、東北きりたんの歌というもの自体は別に目新しいものというわけではない。
彼女のUTAU音源で作られたimis!n氏による公式デモソング「I need you」なんて、俺は大好きでいまでも聴いているんだけれど、これは2015年の作品である。
imis!n – I need you【東北きりたん公式デモソング】
UTAUやボカロがまるで人間のように歌うというのも、まあ昔からあった。
有名なのだと、Mitchie M氏や、cillia氏の作品群だろう。「魂実装済み」というニコニコのタグがあるが、これらの作品は本当に魂が宿っているかのようで、何も知らない人に聞かせたら普通の人間の歌だと思われても不思議ではない。
初音ミクが声優のようにしゃべってラップする曲『ビバハピ』/ Mitchie M
【音街ウナ】メルト【カバー】
じゃあ今回のAIきりたんってのは何が凄いの?って話なんだけれど、これは本当に単純で、これまでは個人の職人技でしかチューニングできなかったような表現が、おそらく誰にでも可能になる。っていうこと。
更に言うと、AIって学習を重ねるにつれてどんどん高精度なものになっていくので、その将来性を考えるととんでもないことになりそうだよね。っていうのもある。
しかも無料。
現時点のNEUTRINOはまだVersion.0.102で、DAW上で使えるものではなく、「MuseScore」との連携が必須だったりと、ボーカロイドほど直感的に操作できるわけではない。(人によっては逆に分かりやすいかもしれないけれど)
しかし、これは明らかにある種の特異点とも呼べるようなものなので、今後の発展に期待したいと思う。
俺も近い内に自分の曲を歌わせてみようかなと思っていて、完成したらここに追記することにする。
■追記:できました。
ちなみに、AIによる音声合成っていうのは色んな種類のものがあって、個人的には声質変換というジャンルが好きなんだけれど、それについてはこの記事にまとめてあるので、詳しく知りたいという人は是非読んでみてほしい。
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