そういや馬犬って未来に生きてた気がする

「馬犬」がVtuberになって復活した。

 

馬犬と聞いてもピンとこない人は、「馬のマスクでハイポーション作ってた人」と言ったほうが通りがいいかもしれない。そんな超古参のニコニコ投稿者がVtuberデビューしたことで、界隈の外まで広まるようなバズり方をしている。どのくらい跳ねたかというと、たった1日で数千人のVtuberをごぼう抜きしてランキング2桁に食い込むくらい。こう改めて文字にしてみると半端ないね。今年の3月に斗和キセキがバズり散らかしたときも凄かったけれど、どうやら今回の勢いはそれを凌駕している。

 

どうしてここまで彼に注目が集まったのか、書こうと思えばいくらでも挙げられる。「HAL」のテレビCMやVRゲーム「東京クロノス」のLAM氏が担当したキャラデザは素晴らしいし、デビュー前のTwitterでの立ち回りなんかも面白かったし、1本目の動画でばあちゃるに宣戦布告したのもよかった。でも、最も大きな要因は他にあって、それは言うまでもなく「前世の行い」である。

 

インターネットのバズには色んな種類があるけれど、その中でも、「懐かしいやつ」というのは最強格の一つだ。懐かしい作品、懐かしい商品、懐かしい広告などをちょっとTwitterに貼っただけで、そこらへんのシンガーソングライターの自作曲よりも伸びる。それほどに、懐かしさには人の感情を動かすエネルギーが秘められている。かくいう俺がVtuberにハマったきっかけも、Vtuber界隈の雰囲気がまるで10年前のインターネットのようで「懐かしい」と感じたからに他ならず、やはり人間の根源的な精神がそういうものを求めるのだと思う。人はいつだって過去に惹かれている。

 

今回の馬犬は、その10年間溜め続けた「懐かしさ」のエネルギーによって、「過去の実績」を現在の登録者数という「数字」に変換することができた好例と言える。リアルの人生では前世でどれだけ徳を積んでいようが(多分)関係ないが、インターネットにおいては”転生”を上手にやることによって、前世で得た知名度や経験値を引き継ぐことができる。いわゆる、強くてニューゲームというやつだ。Vtuberという器は、それをやるのに随分向いているように思える。顔とか出さなくていいし、生みの親を選べるし、大型新人のデビューはいつだって歓迎される。

 

ということは、だ。

いまのインターネット世界(TwitterやInstagramやYouTube)で多くの人々の記憶に残るような実績を作ることができれば、いまの世界の”次”が来たときに、それを引き継げる可能性が十分にあると言える。今日つくった作品が、10年後の自分の背中を押してくれることになる。そんなことを考えながら活動するのも、きっと悪くない。

塗田一帆(ぬるたいっぽ)

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