こうしてゲームはインターネットになった

ポケモンの新作「ソード/シールド」の勢いが凄まじい。

俺の観測範囲だと、フォローしている人が偏りすぎているというのはあるけれど、それにしたって流行りすぎだ。体感として3人に1人くらいがやっている気がする。男か女かポケモントレーナーかみたいな。実際の販売本数としては発売から3日間で136万本を超えているらしく、いまガラル地方の人口は凄いことになっている。

特に、Vtuber的な活動をしている者はポケモントレーナー率が高い。Vtuberの配信情報サイト「ひよこクラブ」によれば、発売当日は126人が同時にポケモンの配信をしていたらしい。もしこれらの配信をフルで視聴しようと思ったら、殿堂入りまで1人につき20時間だとして、2520時間 = 105日が必要となるので、不眠不休でも来年の3月まで掛かる。126本”全窓”すれば1日だけれど、恐らく何かしらの病気になるのでおすすめはしない。

 

いまこのような状況になっているのを目の当たりにして、改めて思ったことがある。それは、「最早ゲームというのはインターネットのコンテンツのひとつだな」ということ。それと同時に、一体いつからそのような環境になったのかが気になりだしたので、思い出しがてら記事にしていこうと思う。

 

まず、”プレイ動画以前”のことを振り返ってみる。まだネットに動画をアップするのが一般的ではなかった時代、自分のゲームプレイを共有する手段としてゲーム攻略ブログというものが主流だったように思う。これは基本的にテキストと画像のみでゲームの進捗やテクニックを紹介するというコンテンツで、俺が小学生くらいの頃はそういったサイトを読み耽っていた。

 

その後、2005年にYouTubeが、2006年にニコニコ動画が登場して、状況が一変した。YouTubeに関しては当初「10分を超える動画はアップできない」という制限があったのもあり、日本国内のゲーマーの多くがニコニコ動画にプレイ動画の投稿を始めた。また、いわゆる実況プレイというスタイルもこの頃から広まり始めて、実況プレイを投稿するユーザーは実況者と呼ばれるようになった。ちなみに、この頃は実況のついていないプレイ動画も普通に人気があり、2008年頃からニコニコで流行していた「友人マリオシリーズ」はその筆頭だった。

また、それとは別の流れで、リアルタイムのゲーム配信というのも始まった。恐らく紀元と呼べるものは2003年に開始したPeerCastを使ったもの。その後は2008年にニコ生のユーザー放送が始まり、ライブ配信がより一般的になった。

ただ、これらの黎明期とも呼べる時代はゲームのプレイ動画をアップすること自体が法的にグレーゾーンだったことや、配信機材を揃える難易度が高かったこともあり、今ほどの活気は無かったと言える。

 

その後、事態が大きく動いたのが2015年頃。この頃にはニコニコで動画の収益化が可能になっており、また、一部のゲームが公式でプレイ動画の投稿を許可するなどの動きがあった。それによって、投稿者が何のためらいも無く新作ゲームの実況プレイ動画を投稿するようになった。この一連の動きで最初に流行したゲームこそが、初代の「スーパーマリオメーカー」だ。このゲームの特性として、「かつて流行した友人マリオと同様のことが公式でできる」「短く雑な動画をコンスタントに上げやすい」「リアクションが取りやすいため実況向きである」などが挙げられるが、任天堂の思惑通り(?)ニコニコのランキングをマリオメーカー関連の動画が埋め尽くすことになり、一部では「マリオメーカー問題」と呼ばれるまでの騒ぎとなった。

また、この頃からゲームハードがHDMIに対応したり、外付けのキャプチャーボードでの高クオリティな撮影が可能になったりというのもあり、実況プレイに対するハードルが自体がどんどん下がっていった。

 

そして現在。いまではほとんどのゲームが公式で実況プレイ動画のアップを許可されており、ちょっとした撮影や配信ならゲーム機本体の機能だけでも可能になった。また、YouTubeではOBSなどのソフトを使って完全無料で高品質なライブ配信が可能になり、ゲームの実況プレイというのは”実況者たちのもの”ではなくなった。

冒頭の話に戻るが、現在Vtuberの間ではゲームというのは最早コミュニケーションツールとして扱われていて、かつてニコニコで流行っていたような、きちんと編集・分割された実況プレイ動画シリーズをアップするのはごく一部の動画勢のみとなっている。ちなみにこの動きはVtuberに限ったことではなく、かつては動画の制作に力を入れていた投稿者たちも徐々に生配信スタイルに切り替えていっているようだ。そして、配信の中で面白かったシーン、いわゆる撮れ高のみを切り抜いて動画化して投稿する(あるいは視聴者が勝手に投稿してくれる)、というのがいまのトレンドになっていて、これは実に合理的な手法に感じる。

 

このような大きな流れがあって、インターネットはゲームコンテンツで溢れることになった。そして、この流れというのはこの先も加速していくと思われる。先日欧米などでサービス開始したGoogleのクラウドゲームサービス「Stadia」なんかはこれまで以上にウェブと密接に繋がっているようだし、ブラウザ上で高速な処理を実行できるWebAssemblyや、VR・AR技術の一般化、eスポーツの発展なんかも考えると、今では想像もできないような体験が、そう遠くない未来に待ち受けているように思う。

 

さて、ここまでインターネットとゲームの歴史から少し未来の話までざーっと書いてきたけれど、それでもずっと変わらないものというのもあって、例えば、新しいポケモンと旅に出るワクワク感というのは、きっとどんな時代になっても俺たちを笑顔にしてくれるんだろうなと思う。

#ThankYouGameFreak

 

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