きっと終わらない

今日は3月14日。そう、「円周率の日」だ。

円周率は3.141592……と無限に続くから、縁起が良いってことで、この日に結婚するカップルは少なくないと聞く。ちなみに俺が最初に会社を立ち上げたのも4年前のこの日だったり。その後に組織変更があって、なんか曖昧な感じになっちゃったけど。

 

ホワイトデー?

知らねぇよ。氷砂糖でも食っとけ。そんで顎痛くなれ。

 

数学はあまり詳しくないけれど、無限にランダムに続く数列というのは何か惹かれるものがある。

「円周率の中にはすべての数の組み合わせが含まれている」という仮説があって、これって凄いなと。

 

どういうことかというと、例えば「俺の11桁の電話番号」は、円周率をずーっと眺めていればどこかに見つけることができる。しかも、何度も何度も繰り返し登場する。だって無限に不規則に続いてるから。

これは数字に限った話ではない。コンピューターで扱えるデータというのは全て数字の組み合わせで表現できる。だから、「俺の昨日のツイート」も、「先週描いたイラスト」も、「1ヶ月前に撮影した動画」も、全部円周率の中に含まれている。俺が生まれるよりずっと前、人間が数字を扱い始めるよりも前からだ。

 

そして、「俺がこの後に書くであろう文章」も全て円周率に含まれている。つまり、俺はいま既に存在するものを上からなぞっているだけということになる。

 

更に言うと、過去にも未来にも存在していないデータも含まれている。

「いいねの無いTwitterのソースコード」とか、「2巻で打ち切られたワンピース」とか、「パッキャオ vs メイウェザー vs マクレガーの試合動画」なんてのも存在する。(なんだそれ凄い見たい)

 

そう考えると、ちょっと怖かったり虚しかったりするかもしれない。でも、それはあくまでデータだけを見た場合の話。そこには、「いつ誰がどんな想いで」のようなメタ的な情報は含まれていない。

同じ「おはよう」という4文字(8バイト)の文字列でも、「自動botが投稿したもの」「好きな子が初めて送ってきたメッセージ」とでは全く価値が異なる。

だから、既に存在しているパターンの再現だとしても、人が作る全てのものには価値がある。

と、思っていたい。

 

 

ところで、たまたま今日はそういう「無限」とかの概念が登場する本を読んでいたんだけど、それを読み終えたタイミングでPCを開くと、スティーヴン・ホーキング博士の訃報が流れてきた。ほんの数分前に本の中で見た顔だ。

 

彼はこの宇宙を離れて、何か新しい理論のヒントを見つけることができただろうか。

それとも、より難解な謎に出会ってワクワクしているだろうか。

 

どちらにせよ、文字列なんかじゃ表せないような感情を抱いていることだろう。

塗田一帆(ぬるたいっぽ)

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