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Vtuberオリジナルソングというジャンルがある。

アニメで言う”キャラソン”に近いものだが、歌っているのがファンと交流のできるキャラクター本人であるという点で少し違っている。

そんなVtuberオリジナルソングの中で、俺がひときわ気に入っているのが、ミライアカリ「ミライトミライ」だ。

 

 

作曲は人気ボカロPのナユタン星人。歌っているのは勿論ミライアカリ本人である。

2019年の1月1日に発表されたこの曲は、つい先日ミリオン再生を突破したのだけれど、何故かYouTube以外での楽曲配信が決まっていない。恐らくフルアルバムを出せるくらいの曲数を揃えてから一度にリリースする予定なんだろうけれど、個人的には今すぐにでも買わせてほしい。

 

■追記

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この曲は、すごく良い。

どうして俺がそこまで気に入っているのか、それをいまからじっくりと解説していこうと思う。

 

まず、タイトルがいい。

ナユタン星人がよくやる「同じ単語を2つ重ねる」というネーミング、例を挙げると「アンドロメダアンドロメダ」「エイリアンエイリアン」「ダンスロボットダンス」なんかがそうだけれど、その中でも特殊なタイプで、単語だけでなく意味も重ねる言葉遊びをしている。どういうことか、ヒントはカタカナの「ト」だ。このトによって、「ライト」という単語が浮かび上がってくる。そう、直訳で「あかり」である。曲を聴く前から致死量のお洒落を浴びせられたインターネットオタクは死ぬ。正月早々死ぬ。死んだ状態で再生ボタンを押すことになる。

ちなみにナユタン星人には初音ミクの10周年生誕祭に合わせて投稿された「リバースユニバース」という楽曲もあるが、これもそれに近い。こっちに関してはBirthday(バースデー)の”Birth”が掛かっている。同日に「リバーシブル・パラダイス」という楽曲を投稿した俺は苦笑いするしかなかったのが懐かしい。

 

 

次に、曲と映像がいい。

ナユタン星人の作るサウンドとミライアカリの文字通り明るい声質が見事にマッチしていて、強制的にテンションがぶち上がる。ライブ会場で聴いたらコールのところでギャーギャー騒ぎながらサイリウムぶん回したくなること間違いなし。普段から運動していないインターネットオタクは体力不足で死ぬことになる。死んでもなお、歌い続けるだろうが。

また、映像を担当しているのは三重の人で、この字面を見ただけでインターネットオタクは懐かしくて死ぬ。いや、最近も活動しているだろうけれど、あの伝説的ヒットソング「千本桜」のPVの印象が強すぎる。

このボカロP×ボカロ動画師のタッグはインターネットオタクに深く突き刺さり致命傷となる。

 

 

最後に、歌詞がいい。これはもう初っ端からエグい。

 

ハジメマシテ オトじゃなくコエで

キミと交わして何回目

科学も次元も超える様な

ミライは来たんだよ

 

冒頭からいきなり全力で殺しにかかっている。ドラゴンボールで例えると初手元気玉。もう死んでるのに殺される。完全にオーバーキル。インターネットオタクのライフはマイナスよ。

 

さて、この歌詞を読み解くにあたって少しばかり予備知識が必要になるので、その説明をしていこうと思う。

まず、ミライアカリと初音ミクは”姉妹”であるということを知っておいてもらいたい。ここでいう姉妹とは血縁関係ではなく、メタ的な意味でのキャラクターの成り立ちのことだ。

ミライアカリのキャラクターデザインを担当したのはKEIという人で、なんと初音ミクのキャラクターデザインと同一人物である。Vtuber界隈ではキャラクターデザイナーとキャラクター本人の関係性を親子に例えることが一般的になっていて、要するにミライアカリと初音ミクは同じ”親”を持っているということになる。この冒頭の歌詞では、そんな2人を上手く重ね合わせて表現している。

 

まず、1行目と3行目のフレーズに注目したい。これらのワードは、最初期のボーカロイド楽曲に引っ掛けている。

 

ハジメテノオト

 

みくみくにしてあげる♪(冒頭の歌詞に注目)

 

初音ミクが登場した当時はこのような、”初音ミクのキャラソン”のような楽曲が流行っていて、上の2曲はその中でも特に人気だったものだ。それらをリスペクトしたフレーズは、10年前の初音ミクブームを思い起こさせるトリガーとなっている。

 

何故ここまで初音ミクとの重なりを意識した歌詞になっているのか。それはナユタン星人がボカロPであることも、キャラデザが同一人物であることも関係しているが、もうひとつ大きな理由がある。それは、初音ミクの名前の由来でもある「未来からやってきたバーチャルシンガー」というモチーフだ。「ミク」は、漢字で表すと「未来」である。参考:初音ミクWikipedia

そのことを理解した上でもう一度冒頭の歌詞を読むと、全ての線が繋がって見える。

 

ミライトミライの歌詞は、このように”10年前の未来”から現在のVtuberブームを紡いでいくような流れになっていて、全部考察・解説しているとキリがないので止めておくが、とにかく深いフレーズが多い。聴き終わる頃にはエネルギーを使い果たして死んでいるが、その驚異的な中毒性から無意識にリピート再生してしまう。はい、ここまでで何回死んだでしょうか?

 

記事の冒頭でも少し触れたけれど、Vtuberオリジナルソングというのは面白い試みをしているものが多くて興味深い文化なので、ミライアカリに限らず、今後発表されるであろう楽曲たちを楽しみにしている。YouTubeの課金システムには限界があるし、そういう作品にお金を落とせるのはいい仕組みだと思う。

塗田一帆(ぬるたいっぽ)

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