ちょっと長くなりそうなのでまずはざっくり一行で。
◆投稿サイトの広告離れ・ホームページ化が進んでいる
という話をします。
まず、当サイトでは数年前から唱えている説が2つありまして。
ひとつは「YouTubeは広告以外で稼ぎたいんじゃないか」という説。
そしてもう一つが「YouTubeはSNSになるんだぜ」という説。
その後、今年に入ってから「拍手を送る」機能の正式な実装などがあって、前者の説はまあ半分くらいは当たっていたのかなという感じだった。
この”広告離れ”については「ラブ駆動インターネット経済」というふざけた呼称で補足しているので、興味のある人はこちらの記事もどうぞ。
……というのがこれまでの流れのあらすじ。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
そして最近になって、2つの大きな変化がYouTubeに起きた。
まずひとつは@メンション機能の追加。
YouTuber・Vtuberに使ってほしい機能【@メンション】
動画の概要欄・タイトル・コミュニティ投稿に「@〇〇」の書き方でチャンネルへのリンクを貼れます。
長いURLを貼るよりもスッキリした見た目に!※貼った相手には通知が届きます
※お互いのチャンネル登録者が1000人以上いないと使用不可 pic.twitter.com/4Aul011DGy— 塗田一帆👉「鈴波アミ」長編リメイク執筆中 (@nulltypo) September 14, 2020
「お、順調にSNS化が進んでいるな」ということで個人的にウキウキしていたんだけれど、つい2週間ほど前にもう一つ分かりやすい変化がスマホアプリ版のUIに表れた。
なんか急にインスタみたいなUIになった!
こんなのもうSNSじゃん!SNSの呼吸 壱ノ型 下タブ中央の投稿ボタンじゃん!
これはもう言い逃れできない。
YouTubeはSNSになりました。
……というところで割と満足していたのに、ここに来てもっと別の角度から大きな機能追加が来たので、そっちメインで記事を書くことにしたのが今日のこと。つまりここからが本題。
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それこそが「ストア」機能。
YouTubeコントリビューター「おめシス」の動画で知りました。
YouTubeの収益アップ!?オリジナルグッズが販売できるようになったって!!
これはYouTubeのチャンネルや動画ページでオリジナルグッズの販売ができるようになるという機能で、これを見て少し考えが変わった。
これはSNSじゃない、もっと大きなものだよ。
なかなか適切な言葉が浮かんでこなかったんだけれど、強いて言えばそれは古き良きインターネット文化の象徴「ホームページ」的だと言える。
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動画(ライブ)配信サイトで商品を売るっていうのは昔からあって、ライブコマースとか言われているものなんだけれど、例えばインフルエンサーがメーカーから依頼を受けて商品を売るとかってパターンが多い。
もしそれをYouTubeにそのまま実装するなら、「商品紹介動画で取り上げたアイテムの販売ページをカード型のリンクで貼れる」みたいなものが浮かぶんだけれど、YouTubeはそうしなかった。自分で作ったオリジナルグッズに限定したのだ。
これ、実は国内にも既に似たような事例があって、それがpixivとかnote。
pixivの場合はイラスト投稿サイトの他にオリジナルグッズ販売のBOOTHというのをやっていて、pixivのユーザーページにはその商品リンクをデカデカと貼ることが許されている。
※ノネトのユーザーページより
noteに関してはいくつかのECサイトと連携できるようになっている。あんまり使ってる人いないけど。
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このpixivもnoteも似たような構造のシステムを持っていて、pixivの場合はFANBOX、noteの場合は有料記事やサポート機能でも収益化ができるようになっている。
そう、どっちもPV数ではなくファンから直接お金を頂く形で、これはYouTubeのスーパーチャットや拍手機能と同じくラブ駆動インターネット経済(と勝手に呼んでいるもの)である。
更に言うと、pixivは最近になって「リクエスト」というサービスも開始して、コミッションという形態でファンが直接金銭的な支援をすることができるようになった。
【新機能リリース】
近日、pixivの新機能「リクエスト」を公開予定です🎉クリエイターは機能を有効化することで、pixiv上で有償のリクエストを募集できるようになります。
🎁詳しくは特設サイトへ🎁https://t.co/4ncgYASHL6#pixivRequest pic.twitter.com/JbAEzsAOt3
— pixiv (@pixiv) September 25, 2020
よく見ると、YouTubeと同じくハートマークをロゴに使っているのがわかる。
「投げ銭」の下品なイメージを和らげようという戦略なのかな、他にも音楽投稿アプリのnanaの場合は「ギフト」という呼び方だったりする(画像の左下に拍手マーク、右上にハートマークもあるけれど)
投げ銭文化の加速が凄いな。
nanaの”ギフト機能”第2弾!投稿サウンドにもギフトが贈れるようになりました! https://t.co/Lp3IuVqAQk
— 塗田一帆👉「鈴波アミ」長編リメイク執筆中 (@nulltypo) October 12, 2020
ちょっと脱線したけれど、こういった感じで色んなサービスでファンが何かしらを購入して投稿者が収益を受け取るという仕組みが増えてきている。
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こういう機能が発展していくと、YouTubeもpixivもnoteも、ただの”投稿サイト”とか”SNS”ではなくなってくる。
これらのサイトでは基本的に無料コンテンツで人を集めて、その中から濃いファンにお金をお落としてもらうという導線がきっちりと引かれていて、ブログやSNSとは違って明確な(個人を識別できるような)ファンの存在があって、直接コミュニケーションを取れて……っていう、もはや客商売と呼べるような形態。
それはタレントとかアーティストが自分のホームページを持って、訪問したファンにグッズとかイベントのチケットとか売る……というのと似ている。つまり、上記のサイトは個人で手軽に”タレント活動”ができるような仕組みということ。
要するに、
動画やライブが得意ならYouTubeで、イラストが得意ならpixivで、文章が得意ならnoteで、誰でもタレントになれる。
SNSという概念が出てきた時には「総クリエイター時代」とか言われていたけれど、ライブ配信とかnoteも含めて「総タレント時代」になったとも言える。
そう考えると、YouTubeの@メンションやnoteの記事内リンクというのはホームページの”相互リンクさん”みたいな感覚に近い気がしてくる。
逆に、このサイトのような旧式のブログとかホームページ的なものはいまから始めるメリットはあまり無いかもしれない。ほとんどの場合は既存のサービスで事足りる時代になった。
ってな感じで、この記事のまとめとしては、
インターネットの発展によって自分の得意なことをお金にできるようになって素敵ですね。
という話でした。
クリエイターをダイレクトに支援できる機能
テキスト:購読系サービスいろいろ
イラスト:Skeb、pixiv REQUEST
技術Tips:Zenn
ライブ配信:ほぼ全部
動画 & 音楽:YouTubeって感じで揃ってきてるね。
これがラブ駆動インターネット経済……。— 塗田一帆👉「鈴波アミ」長編リメイク執筆中 (@nulltypo) September 26, 2020
ちなみにこのサイトにはお金を落とせないので、もし気に入ったならTwitterのフォローかリンクのシェアをお願いします。
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