ABCは後からできた

Googleのネーミングはちょっと思考停止しているように感じる。

 

あまりにも、「Google ◯◯」が多すぎる。

余所から買収してきたYouTubeとかAndroidとかはちゃんとした名前がついてるのに、Googleが企画して作ると、何故か高確率で「Google ◯◯」になる。

 

音声アシスタント関連は特に酷い。

 

代表デバイス → Google Home

アシスタント → Google Assistant

音声アプリ → Actions on Google

起動コマンド → OK Google

 

会議する時間無かったの?

と感じざるを得ない。

 

ちなみにAmazonの音声アシスタントは「Alexa」という名前で、起動コマンドも「Alexa」だし、アプリは「Alexa Skills」なんだけど、どう考えてもこっちのほうがわかりやすい。

それに、Alexaの話をする時は「Alexaが〜」と言うと思うんだけど、Googleアシスタントの場合は「Google Homeが〜」とか「OK Googleで〜」となってしまう。音声アシスタントの話をするのに、スピーカーの名称や起動コマンドで呼ぶのはおかしい。

 

なんとなく、「Google+」のことが脳裏をよぎる。

それはFacebookやTwitterのようなタイムライン形式のSNSで、Googleが2011年に開設した。ちなみにFacebookは2004年。

完全な後発だったので、その分機能やUIは洗練されていたと思う。素直に面白いと思えた。それでも、あまり流行らなかった。

その原因のひとつに、名称が悪すぎたというのがあると思っている。Google+という字面だけ見て、「面白そう」と感じる人がどれだけいるだろう。

「いいね」の代わりに「+」という記号を使ったのも良くなかった。ウェブサイトに「+」のボタンが貼ってあっても、それが「Google+におけるいいね」を表すとは思考が及ばない。あと、フォローではなく「サークル」という名称にしたのも良くなかった。概念やシステムは素晴らしいのに、とにかく分かりづらかった。

 

このままだと、Google AssistantもGoogle+のように廃れてしまうのではないか?

 

という結論に行く前に、ちょっと落ち着いて考えよう。

 

Googleの社員がそんなこと気付かないか?

あのGoogleの社員だぞ?

Google+の失敗を経験してる当事者だぞ?

 

 

俺が思うに、Googleはもっとずっと先のことを考えている。

 

Googleというのは、実は子会社だ。

Googleの創業者であるラリー・ペイジとセルゲイ・ブリンが2015年にAlphabetという会社を設立して、Googleの持株会社に位置づけた。

その際に、いくつかの「Google ◯◯」は、Googleの子会社からAlphabetの子会社へと変わった。しかし、インターネット関連サービスのほとんどは、Googleのサービスとして残った。

 

ここから推理する。

 

Googleはインターネット関連サービスに絞って展開する。

Googleのサービスのほとんどに「Google」の名前が入る。

Googleのトップページはいつだって検索サービスである。

Googleの音声アシスタントは特別な名前を有していない。

その音声アシスタントの起動コマンドは、「OK Google」

 

 

Googleは、全てのインターネット関連サービスを、「Google」というひとつの巨大な概念にしようとしているのでは?

 

 

その「Google」世界中のどこからでも接続できて(通信インフラ事業もやってる)

あらゆるデバイスがアシスタント機能を備えていて(実はAndroidやiOSでも使える)

常に最新で最大のデータベースを持ち(Google検索やマップから取得)

欲しい時に欲しい情報を適切な形で(画像、動画、外国語でも翻訳して)入手できる。

 

そういう、ごちゃごちゃしているようで、物凄くシンプルなひとつのサービスを作っている途中なのでは?

 

そう考えると、起動コマンドが「OK Google」なのも納得できる。

「気楽な感じで話しかけると、次の瞬間、欲しいものが手に入る」

それこそがGoogleの目指している完成形なのではないだろうか。

だとすると、Google Assistantはただの受付係だし、デバイス名なんてGoogle Homeでも何でもいいように思える。

 

例え文字が書けなくても、タイピングができなくても、目が見えなくても、その名前を呼べば何でも手に入る世界。ってのは、どう考えても素敵だと思うよ俺は。

塗田一帆(ぬるたいっぽ)

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